「……あ、あの!」
話しかけながら、久しぶりに話してることに気づき顔が熱くなってくる。
「年越しイベント私も行きたい」って言いたいだけなのに、なかなか言葉が出てこない。
「菜々子ー!帰ろうー!」
梨沙子がカバンを持ってこちらにきた。
「ん?何話してたの?」
梨沙子は私が綾川くんのほうを向いていたことに疑問を感じた。
「な、何も!帰ろ!」
結局何も言わずに冬休みに入ってしまった。
* * * * * * * * * * * *
「ねぇ、将樹さんも年越しイベント行くの?」
お姉ちゃんに聞いてみた。
私の部屋にはいつもミツルがくれたCDが流れている。
お姉ちゃんは私のマニキュアを借りに来てそのままここで塗り始めていた。
「んー、将樹が回すわけじゃないから私も一緒に行くよー。なんで?」
私はその言葉に飛び付いた。
「お願い!私も連れてって!!」
「え?親どうすんの?」
「お姉ちゃんたちと初詣行くって言えば大丈夫!」
「抜かりないわね…。」
お姉ちゃんは呆れたように笑った。
やったー!またミツルのDJ姿が見れる!!
私は嬉しくてお姉ちゃんに抱きつくと、「マニキュアがはみ出たー!」と怒られた。