「……えっ…ねぇっ」
近くで聞こえる声と、揺らぶされる身体のために、目を覚ました。
(あれ気絶…した…のか?)正常な思考が徐々に戻ってくる。
ゆっくりと目を開き、身体を起こす。
「あ、良かったぁ…。怪我はない?」
後頭部に手をやって確認。僅かに腫れている程度。血が出てはいない。
「ああ、大丈夫…」
すると、ほっとしたような、申し訳なさそうにする少女。
「…ごめんなさい。ついやってしまって…。悩みは人されぞれだもんね。馬鹿にしたりしたら駄目だよね」
(いや、謝る所そこかい)
思わず内心突っ込んでしまう。妙に天然な奴だ。