帰り道。もう外は暗い。
雪が降り積もる帰り道を、アキは歩いていた。
もう気づけばクリスマスイブ。12月24日…。
カズヒロには、転校することは伝えないつもりだ。
カズヒロに迷惑はかけたくないから。
心配しないで。
アキは心の中でつぶやいた。
すると、前方からアズサが走ってきた。
顔が強ばっており、何ものかに追われているようだ。
『アズサ…。』
「助けて!」
アキは必死になって喋るアズサにノートを渡した。
「話したいことがあったらこれで書いて。」
アズサはあわてたように頷き、
『私の両親が柴山に殺された。私は命からがら逃げてきたけど、もうすぐ私も…。』
と書いてあった。
アキは、
『ほんと?』
と書き返した。