ちょうどその頃、コンビニへの向かう道の途中で、拓朗の携帯が鳴っていた。
拓「もしもし?」
伸『ちゃんと注意して見とくんじゃなかったんかよ!』
突然怒鳴られ、慌てて拓朗は携帯を耳から離した
拓「…ノブ夫?」
伸『何で朝から秋ちゃん一人で、俺んちまで来てんの?何かあったら心配やからって、注意してお前らが見とくってなったんじゃないん?!』
拓「…はい、すみません…汗…でも、皆が朝起きた時にはもう居らんかってんもん。てか、そういうお前も秋を一人で帰らすなんて、人のこと言えんやんけ」
伸『…はあ…確かにそうや』
突然低くなる伸昭の声
拓「何、喧嘩したわけ?怒鳴ったりへこんだり…」
伸『俺さ、めちゃくちゃ器用な人間やねん』
拓「…うん、知ってるで?」
伸『でも、最近、自分の不器用さを思い知らされて、ほんまへこむ』
ますます沈んだ伸昭の声に、拓朗は思わず吹き出しかけた
拓「何、へこんでるん?」
伸『うん。』
拓「お前らしくないなぁ」
伸『自分でもそう思うわ。ずっとマイペースに来れてたのに、最近ずっとペース崩されてばっかり』
拓「それだけお前の気持ちの中に今、秋が入りこんでるってことやろ?」
伸『…そうなんかな』