それからしばらく私たち3人はたわいもない話を続けた。
ヤスさんは見た目は恐いがこの辺の音楽仲間のリーダー的な存在だということが分かる。
冗談混じりの会話は大人っぽくたまに子供っぽく、私は少し大人の仲間入りをしている気分になった。
綾川くんはずっとこんな人たちと関わってきてるんだなー…
どうりで学校で浮くハズだ。
一人で納得する私。
……ガチャ
「おー、ヤスさんまだ開けてんの?ちょっと温かいやつくれ。コーヒーとか」
違うお客さんが入ってきた。
「オマエらどいつもこいつも…ウチは喫茶店じゃねーよ。バーなんだよ。酒頼めよ。」
ヤスさんは私たちから離れあちらのお客さんの相手をしだす。
「………………。」
さっきまで2人とも笑い合っていたのが嘘みたいに沈黙になる。
綾川くんが冷めきったコーヒーを一口飲むのが視界の隅に入った。
「…あの」
沈黙を破ったのは綾川くんだった。
「……槇原さん…、俺の作った曲………飽きた?」