「………え?」
私は思ってもみないこと聞かれ、驚き、綾川くんを見た。
その瞬間目が合ったが、すぐに逸らされた。
「……メール…くれなくなったし。……さっきも……途中で出ていこうとしてた……。」
綾川くんが頭を少し掻きながら下を向いてそう言った。
そんなふうに思われてたなんて……
私はブンブンと首を横に振った。
メールを送らなかったのは恥ずかしかったから、さっき出ようとしたのは胸が苦しくて泣きそうになったから……
……全部、
綾川くんが好きだから…
私はどう答えたらいいのか迷った。
どんな言葉を使っても、私の『好き』が伝わってしまいそうで、そうなった時の綾川くんの反応を見るのが怖かった。
私は頭をフル回転させた。
でも上手い返事が思いつかない。
また沈黙になってしまった。
何か言わなきゃ
誤解を解かなきゃ
そればかりが頭を駆け巡る。
「……ハァ」
綾川くんが頭を抱えこみ、ため息をついた。
私の目は涙目になってる。
「困らせてゴメン…」
何故か綾川くんが謝る。
「……違…う…」
私は声を絞りだして言った。