夢跡†(8)

つる  2010-12-30投稿
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まだ泣き顔の少女を気遣いつつ、話しだす。


「あのさ、俺は自殺志願者じゃないけど、
ええっと、……その辺りに誰かいたぞ。」


フェンスの方を指差す。


途端、ん?と反応した。


「…もうちょっと詳しく話してくれる?」


「えっ?ああ、」


下足場を出てからの行動を出来るだけ詳細に話した。

「君が来た時には既に居なかった…と」


「そうだ」


「ん…成る程」

考え込む少女。眉間に皺が寄っている。


おちょぼ口になった口からはブツブツと独り言が漏れる。

これは長くなりそうだと、とっとと退散することにする。


「じゃ、それだけだから」

すると、今こちらの存在を思い出し、ハッとこちらを見た。


「あ、うん。情報提供ありがとう。色々ごめんね…えっと」

ああ、名前か。




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