原因はわからなかった。病院の先生の心の声さえ冷たいものだった。
“またか…ただの思い込みだろ…”
俺は真剣に悩んでいる。あれでも医者か!?
街を行き交う人々の心の声にやけに苛立ちを覚え、耳を塞ぎながら、人混みから遠ざかった。
いつも通らない道。
最近ストレスをため込んでいたが、静かな道を歩いていると心が安らいだ。
少し歩いていると小さな店が見えた。
『アイダベーカリー』
パン屋か…
ちょうど腹も減ったし、入ってみるか…
いつぶりだろうか…こんな庶民的な店に入るのは…
…ピンポーン
「いらっしゃいませ。」なんだか落ち着くな…俺は、息苦しい社会の中で抱えていたストレスから解放され、現実から切り離された世界に来た気分になった。