「あ〜、そ、そういえばさ、福田の奴、今日復讐するとかやたらはりきってたよ」
空気を変えようと一人が慌てて言ったが、伸昭は全く興味を示さなかった
「誰?福田って」
「知らねーの?ほら、俺らと同期で建築科学科の。弱そうな女の子助けて、やりにげする奴」
伸(へーアホらし)
「あー、あれでしょ。仲間に女の子襲わせて、自分が助けてやっちゃうっていう…そこまでせんでもねー」
「それで、なんで復讐?」
「なんか女の子に殴られたらしい」
伸(ふーん、馬鹿な奴)
「で、その子にずっと嫌がらせの手紙送りつけてたらしくて…」
その言葉にぼんやりしていた伸昭の頭の中で突然何かが一致した
「手紙ぃ?なんか中学生の女子みたい」
「でも、なんか全然相手にしてもらえなかったらしくて、それで今日…」
伸「おい!そいつの名前は?!」
突然伸昭が声を荒げてせめ寄ったので、周りは目を丸くした
「え…あぁだから、福田だよ。“福田ゆうすけ”」
伸昭の頭にはっきりと秋奈の姿が浮かんだ