―――「おー来た来た」
道路の脇に止めた黒いワゴン車を背に、あいつ、“福田ゆうすけ”は立っていた
「遅いからもう来ないのかと思っちゃったよ」
秋「ちょ、ちょっと道に迷ったの!」
「ならいいけど。せっかく“俺ら”が毎日出した手紙もぜーんぶ無視しちゃうからさ」
秋「手紙なんて今日の1通しか知らないんだけど」
「えーうっそ!“俺ら”がわざわざ作って毎朝届けたのに?」
秋「ずいぶんご丁寧なことしてくれたんやな(-_-;でも、わるいけど見てへん」
「マジかよ…まあいっか。とりあえず今日は“お返し”♪ができるし」
秋「お返し?」
「覚えてないの?あの動物園のこと。あの時の君のせいで、もうプライドずたずたなの。…だから、“お返し”」
ゆうすけの口元がにやりと笑ったのと同時に、秋奈は後ろから掴む腕。慌てて振り返ると秋奈の両側に男が2人、さらにゆうすけの隣にも数人の男が姿を現した
「…ふふっ…やっちゃえ♪」