―――秋「放して!!放せ!!」
男に抱えられ、秋奈の足が地面を離れた
秋「放せってば!」
そのまま秋奈は車の中に投げこまれると倒され動きを封じ込まれてしまった
秋「やめて!!」
「うるさい女」
「まあいいじゃん。やるだけなら」
秋「放せってば!」
「黙れ!!」
秋奈の頬に激痛が走った
「顔はやめてやれよ。かわいいのだけがとりえなんだからさ」
そう言って一人が馬鹿にしたように笑った
秋(嫌や…ノブ君…!)
秋奈の目に涙が浮かんだが、やはりその力から逃れられず抵抗できない
「あれ、もう抵抗しないの?」
秋「うるさいっ!!」
「涙まで浮かべちゃって。可哀想だけど、助けもこないよ。誰も君なんかに気づいてないしね」
秋(泣くな泣くな泣くな!!!こんな奴らの前で泣くほどうちは弱くない!)
涙を堪えようと瞳を強く瞑った。
聞こえるのは男達の笑い声。
ガララッ
するとその時、突然勢いよく扉が開き、男の一人が外へ引きずりだされた。そして、鈍い音がしてすぐ、ドサリという誰かが地面に倒れたらしい音が聞こえ、突然の出来事に男達は動きを止め外に目をやった
片手が解放され、上体を起こした秋奈の目がとらえたのは、扉の外に立つ伸昭だった