騎手・那口小夜の夢と現実と日常 7

亜希 2011-01-10投稿
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先程から、場内の大型ビジョンには、第3競走のリプレイが流れています。

しかし、何度見ても2頭がほぼ並んでゴールした様にしか見えません。

実況アナウンサーも、

《ゴール前猛然と追い込んだディアフレンド、最内粘りに粘ったドラムンベース、2頭が後続各馬を大きく大きく離してゴールしています…》

と伝えています。

レースの決着は写真判定に縺れ込みました。

しかし、小夜は1コーナー過ぎで馬を止めながら

『ま、負けたぁ(>_<)』

と思い込んでいました。

写真判定には、5〜6分かかったでしょうか…

やがて、着順掲示板には、1着1番、2着7番と表示され、場内に、《遊佐競馬、第3競走は、写真を参考の結果、第1位、1番、第2位、7番となりました》という女性の声でアナウンスが流れました。ちなみに、両馬の差は鼻差でした。

それを検量室に引き返す途中で聞いた小夜は、込み上げてくる喜びを隠す事が出来ませんでした。

去年の冬、九州の荒尾競馬場で行われた『レディースジョッキーズシリーズ』以来でのレースでの勝利です。

馬から下りてから、待っていた町田さんと抱き合って喜びました。まるで重賞レースで勝った時みたいに…。

そして、紺野調教師が満面の笑みで近づいてきて、一言、

「小夜、よくやったな(^o^)\(^^)ヨシヨシ」

とまるで子供の様に頭をなでなでされついました。

そして、本馬場のはずれにある、小さなサークルの前で、ドラムンベースと、紺野調教師、町田さんと並んで、手には1番の数字が書かれた白いゼッケンを持った小夜が写真に収まっていました。

記念撮影の終わるのを待っていた数人のファンに、色紙を差し出されて、サインをせがまれている小夜。こんな光景も本当に久しぶりです。

戻って来た小夜いわく、

「今年中の目標が出来た!目指すは、年内に5勝( ̄^ ̄)>!」

えー、もうすぐ11月なんですが…。まぁ、目標は大きく、ですね。

まぁ、金曜日に能力試験を終えて、11月に遊佐で出走する、岩手地区・盛岡で3戦3勝の「マジカルドリーマー」転入馬もいる事ですし。今のところ鞍上は小夜の予定ですしね。まずは、少なくても年内に2勝目をあげないと、といったところですね。



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