風船を膨らますように
あたしは日常を膨らます
そこにはいろんな溜め息という名の空気が
押し込められているのでしょう
色とりどりのまあるい玉
ころころ、ころころ転がって
あたしの心の坂道を
雪崩のように駆け下ってあふれだす
喜び憂い、怒りや哀しみ、郷愁と慈しみ
そして
淋しさ
どれだけ様々な感情があふれても
どれだけたくさんの色の風船が生まれても
一人になった途端にじわりと染み出す孤独には
抗いようがないのです
あたしは今日も風船を膨らませて
誰か来ないかしら
素敵な風船をプレゼントに待っているのだけど
そんな風に、ただただ青いばかりの空を見つめて
時折ふっと微笑んだり
ほんのちょっぴり涙を零したりしながら
一番赤い風船の紐を、風に揺らせて佇んでいるのでした。