「くっ!!」
空牙は龍紅のスピードに驚きつつも反射的に剣で受け止めた。
「なっ!!??」
龍紅は剣を弾きその勢いで凜の隣へと着地し、空牙はその勢いで後ろへと倒れた。
「あの餓鬼!!」
「へぇ〜実戦経験ほぼゼロで龍紅の剣を受け止めるなんてやるぢゃんあの餓鬼」
青海は空牙に駆け寄った。
「大丈夫かっ!?」
「ああ・・でも見えなかった」
「ただ者ぢゃないな」
空牙が立ち上がると、龍紅と凜が近づいて来た。
「・・・・何だよっ!!」
「お前が条件を飲めば、お前達を殺さねぇ」
「条件!??」
「ああ、条件は2つだ。1つはお前が俺達について来る事。もう1つは雛姫を此方に差し出す事だ」
「!!!!」
青海が1歩前に出て、奴らに近づいた。
「おい、青海!!」
「君らは何者だ??そして雛姫との関係は??」
「特別に教えてやるよ。俺らはミケルの首都の王族の琉鬼(ルキ)に雇われた「聖血の剣士」。今回は琉鬼の頼みで雛姫を捕えに来た。まぁ、雛姫とは前から知り合いだがな」
「雛姫は自ら逃亡したのだろ??」
「ああ、そうだ」
「なら雛姫は渡せない」
「・・なら死ね」
龍紅が剣をふるった。
「待てっ!!!!」
龍紅の剣は青海の首ギリギリで止まった。
「・・待ってたぜ雛姫っ!!!!」
さっきまでヘラヘラした顔だった龍紅は、鬼のように怒った顔つきに変わった。