『2年3組。“大地讃頌”』
ワアアァァァ―ー‐
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ―ー‐
会場中の大歓声の中、
聖人は校長から表彰を受ける。
もちろん、
御来賓の方達へのサービスも忘れない♪
『本日は、俺達の美声を聴くコトが出来た、ラッキーな御来賓の皆様が、
実は、俺達にとって、幸運の女神様だったってワケで‥‥えっと‥‥‥』
聖人が少し言葉に詰まると、
どこからともなく男のコの声が響いた。
『御来賓の方々は女性だけじゃないぞ〜♪
リーダーしっかりィ〜♪』
どっと笑いが起きた――
会場中が笑いに包まれている――
『‥‥あ゛―。
え―‥‥なんか調子狂っちゃったケド、
みなさんどうもありがとうございました!!』
キャアアァァァ〜〜〜ッッ!!
話し終えた聖人が、観客席に向かって、胸に挿していた赤いバラを投げたから、さぁ大変!!
聖人ファンの女子達の黄色い声の中、
2-3のクラスメイト達は、
みんな、1位の喜びを分かち合っていたんだ。
『聖人!!ユカ!!』
あたしも聖人とユカに駆け寄った。
『俺ら、すげぇよな。』
聖人がボソッと言った。
本当は嬉しいくせに♪
『奈央。実は、あたし‥ピアノ弾くトキ、ガラにもなく手震えたのよ。』
『えぇ〜うそ!!ユカがぁ?!』
『なによぉ。あたしだって緊張するわよ!!』
『あはは。ごめん!!』
あたし達が3人で話していると、
背後から突然、男のコの声がしたんだ。
『よォ、北岡。』
声の主は、同じクラスメイトの藤木 タツヤだった。