秋「…ぐすっ…」
その膝の上には握り締めた拳にその肩は震えていて、秋奈はうつ向いたままポロポロと涙をこぼした
聖「はぁ…」
伸「あ〜…えっ…と…」
伸昭の頭に浮かんでくる先ほどの記憶
伸「ごめん…俺、さっきつい怒鳴っちゃった気が…」
拓「そうじゃないやんな、秋。ノブ夫が突然倒れるから心配やってんな」
伸「…そうなん?…えっと…ほら、秋ちゃん、俺めっちゃ元気やで?なんなら、抱きしめたろっか?慰めたるで」
伸昭はいつものような冗談で笑って両手を広げて見せた。しかし、いつものような秋奈の言葉はなく、気付いた時にはまた首に手が回され体が重くなっていた
秋「うわぁ〜ん!」
自分の頬に触れた秋奈の柔らかい髪。伸昭は両手を広げたまま動けず、拓朗も意外な展開に目を丸くしていたが、聖二だけはテレビ画面から目を離さなかった。
ち「ノブ〜!」
伸「だ〜か〜らっ、お前はいらん!!!」
伸昭はちひろをまた引き離したが、抱きついたままの秋奈には触れられないまま右手をおろした