第十五話 雪の中の閑古鳥
清美と由理香の会話から一時間後、猫空に雪が降りだした。
「うわあ、降って来たわ!」
店の外を見ていた光が店の奥にいる妹の陽子に雪を知らせた。
「ゑ!予報より降りだしたが早くない?」
陽子が雪を見に出てきた。
「こりゃ積もりそう」
「ただでさえ店に閑古鳥がなっているのに・・・・」
光は店内を見回した。
客は一人もいない。
月川姉妹の両親がやっている店『月川駄菓子店』
現在、姉妹で店番をしているが、閑古鳥が鳴くだけであった。
「客無ー(きゃむー)!」
光が猫空語で叫んだ。
「叫んでも閑古鳥は鳴りやまないよ・・・・」
陽子の突っ込みが虚しい。
光が叫んでから一時間が経過。
雪は十糎程積もり、気温は氷点下九度になっていた。
「はあ・・・これじゃ閑古鳥が鳴りやまない」
「雪の中駄菓子買いに来る隙人はいないかな・・・」
姉妹の虚しい会話が続く。
それから五分後、その隙人が現れた。
第十六話に続く