夜9時30分。
「ここも危険になると思う。」
ヒロは店のシャッターをおろそうとした。
その時、
「ん?」
窓の向こうに、走ってくるカズヒロがいた。
「あ!カズヒロだ!」
『カズヒロ?』
アキは立ち上がった。
ヒロは再びシャッターを開け、カズヒロを迎えた。
「カズヒロ…何で?」
「話は後だ…。アキ…無事でよかった…。」
カズヒロはアキを見て安心した。
「さっき家の前を血のついたナイフを持った柴山が通っていって、アキが殺されたんじゃないかって。」
アキは大げさだなと感じつつ、頷きながら聞いていた。
『私の命だって狙われてるかもしれないけど、アズサの方が狙われてる。実は今日、アズサの親が柴山先生に殺されて、命からがら逃げてきてここにたどり着いたの。私はその途中偶然会ったから一緒に来た…。』「そ…そうだったんだ…。」
カズヒロは、
「シャッター閉めよう。」とヒロに指示したその時!
…ついにやってきた。
「ギャアアアアアアア!」アズサの叫び声が、店が吹き飛んでしまうのではと思うくらい、大きい。
「あら、皆さんお揃いで。どうせなら皆殺そうかな…。」
柴山先生はもう、先生ではない。
殺人鬼だと、みんな感じた。