混沌の息子

シナド 2011-01-21投稿
閲覧数[703] 良い投票[0] 悪い投票[0]


とっておきの質草がかかった賭けの

最後の最後にへまをした

またもや道化の役まわりだ

だが

賽が振られるその時には

俺は必ず勝利するぞ

嫉妬深い老人はやがて死に

ここには

俺とおまえらしか残らない

そして永久なる女は

醜悪の極みを見せつける大淫婦となる

それこそ俺の悲願であり大望だ

老人がいくら手をこまねようと

俺は必ず成し遂げるぞ

老人の愛い子どもを

ひとり残らず凋落させてやる

さあ俺に見せてくれ

おまえたちの火を見せてくれ

陰府も地上も天上も

残らず灰に帰してなおやまぬ

その業の火を

俺はそれを見て笑ってやる

腹を抱えて嗤ってやる

忘れるな

俺たちもまた

切望してやまぬものであることを

絶えず努めるものであることを

その時には

おまえの魂など

塵にしてやるぞ

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「シナド」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ