第零話 南方からの声
何処からか聞こえる声。
ある声は地面から。
ある声は水中から。
それは救いを求める声。
声の主は既にこの世の者にあらず。
この声を聞き、猫空の戦乃神は異世界へ降り立った。
異世界、地球。
パプアニューギニア、ニューブリテン島バイエン。
そこに猫空最高神神明事、吉元明はいた。
「ここがニューブリテン島のバイエン?」
明だけではなく、妻の最高女神神勝事、吉元知加江もいた。
「ああ、こちらの世界での66年前、こちらの暦、1945年(昭和20年)3月3日、この地で日本軍が玉砕した」
「貴方を呼んだのはその玉砕した日本兵の誰か?」
「名前までは聞こえなかったがな。間違いなく、この島の何処かに眠れずにいる」
明は戦神乃軍配を取り出すと、後ろから若い男女が現れた。
第一話に続く。