――翌日
秋「平気?しんどくない?」
伸昭の隣を歩きながら、秋奈が訊いた
伸「昨日よりは。これも貼ってるしな」
そう言って伸昭はおでこを指さした
後ろの2人の笑い声を聞きながら、拓朗は隣を同じように歩く聖二を気にしていた
拓「…せえちゃん」
聖「何」
聖二は普段通りの様子でワン家に向けて足を進ませている
拓「いや…いいや」
首を振って拓朗は下を向いた
ち「ねぇ、何なの?話って?」
しばらくして聖二の隣からちひろが拓朗に向かって顔を出した
秋「そうだよ。わざわざノブ君まで連れだして、大事な話?」
伸「…」
聖「…」
拓「うん、ごめんな、ノブ。でもどうしても皆に言わないと…」
伸「俺は大丈夫だよ」
拓「ありがとう」
ワン家の扉を拓朗が開ける
光「拓朗!」
すぐに彼らを光希が迎えた。不安げな表情の光希に拓朗は黙ってうなずいて見せた
秋伸ち「お邪魔しまーす」
猛「わ!2人ともどうしたん?」
猛が秋奈と伸昭の頬の傷を指さした
秋「あ…えっと…」
伸「こけたの、うん」
猛「2人揃って?」
秋「うん、たまたまね」
伸「うん、すごい偶然で」
そんなやりとりをしながら全員がリビングに揃った