医者にガンと言われて
初めて死ぬ怖さを知った
「誰かに連絡しますか?」
「いえ、自分でしますから…あの私の余命は?」
「1ヶ月だと思って下さい…」
「……」
1ヶ月…私は短いという事よりも彼が1ヶ月帰って来ないという事にショックだった…
(1ヶ月会えないならせめて電話くらい…)
私はそれから彼に何度も電話をした
毎日必ず電話をした
迷惑なのは知ってる
嫌われたっていい
ただ彼の声が聞ければ…
私は幸せだった
何より彼が必ず電話に出てくれる彼の優しさが嬉しかった…
(今日は電話しない方がいいよね…)
そんな事を思っていたら
ケータイが鳴り彼から電話が来た
凄く嬉しいくて、今にも彼に抱きつきたかった
「もしもし?日曜に会えない?」
「本当?うれしい…あの、私ね……」
着られてしまった
でも構わなかった
彼と会えるという事が何より嬉しくて幸せだった
「…ちょっと早かったかな…懐かしいなぁ」
私は彼が帰ってくるまでに家の掃除をした
呼び鈴が鳴って笑顔で玄関まで行く
扉を開けたら彼がいて私は泣きそうになるのを我慢した
「お帰りなさい…久しぶりだね」
「毎日電話してるじゃん」
冷たくたって今はどうでもいい
私は彼に沢山話した
そして
「あのね…私――」
「別れよう…」
予想通り
私は少し彼に甘えていたんだ…このまま彼が私を好きになるわけない…
「1ヶ月幸せだったよ…ありがとう、愛してる」
それだけ言った
でも彼は私を見ないで家から出ていった…
私は病院に戻ってからその夜酷く苦しんだ
そして午後一時に死亡した
私の人生は短いものだったでも彼のおかげでとても幸せな人生だった
最後には振られたけど…
彼に「愛してる」と言えたからもういいよね…
私のワガママを聞いてくれてありがとう…
貴方を愛する事が出来て誇りに思っています
サヨナラ…