ニーツ

小石 大 2011-01-27投稿
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第1章
【ニート】

4月…

春。

今日から僕の保育士という人生が始まる…

はずだった。


『今日から働かせていただきます、前田進(まえだすすむ)といいます。』

保育士A
『はい、よろしく。今日から前田くんはうさぎ組に入ってもらいます』

僕は2歳児のうさぎ組を他の保育士と2人で担当することになった。

何だかんだで今日一日が終わった。

プルル…

彼女
『あ、どしたの?てか仕事どうやった?』


『辞めよかな?』

しばらく無言が続いた…。

彼女
『何で?せっかく学校卒業して資格とったのに?』


『何かあわんくて…。まぁ資格あることやし次探せばいいねん』

彼女
『まぁ自分の勝手にし。私には関係ないから。』

僕は彼女の怒ってる声にも気付かず電話を切った。

家に着く。


『ただいま。』

祖母
『おかえり。仕事どうやった?』

僕はみんな同じことしか言わない。そう思った。


『まぁまぁかな。』

祖母
『そうか、よかったな。今日は赤飯炊いてるから早く食べ。』

祖母はいつも優しかった。でもその優しさも今は気付かずにいた。

しばらくして…。


『仕事辞めるわ。』

祖母
『なんで?』


『あわん。』

祖母
『あわんて、みんなどこも同じやで?』


『資格あるねんから何とでもなるねんて』

祖母
『せっかく学校卒業したのに。お金だって…。』

そう。僕は小さい時に両親が離婚し祖母と祖父に育てられた。

僕はそのありがたさにまったく気が付いていなかった。

翌日。僕は園長に辞めることを告げ就活にはげんだ。

続く。

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