第1章
【ニート】
4月…
春。
今日から僕の保育士という人生が始まる…
はずだった。
僕
『今日から働かせていただきます、前田進(まえだすすむ)といいます。』
保育士A
『はい、よろしく。今日から前田くんはうさぎ組に入ってもらいます』
僕は2歳児のうさぎ組を他の保育士と2人で担当することになった。
何だかんだで今日一日が終わった。
プルル…
彼女
『あ、どしたの?てか仕事どうやった?』
僕
『辞めよかな?』
しばらく無言が続いた…。
彼女
『何で?せっかく学校卒業して資格とったのに?』
僕
『何かあわんくて…。まぁ資格あることやし次探せばいいねん』
彼女
『まぁ自分の勝手にし。私には関係ないから。』
僕は彼女の怒ってる声にも気付かず電話を切った。
家に着く。
僕
『ただいま。』
祖母
『おかえり。仕事どうやった?』
僕はみんな同じことしか言わない。そう思った。
僕
『まぁまぁかな。』
祖母
『そうか、よかったな。今日は赤飯炊いてるから早く食べ。』
祖母はいつも優しかった。でもその優しさも今は気付かずにいた。
しばらくして…。
僕
『仕事辞めるわ。』
祖母
『なんで?』
僕
『あわん。』
祖母
『あわんて、みんなどこも同じやで?』
僕
『資格あるねんから何とでもなるねんて』
祖母
『せっかく学校卒業したのに。お金だって…。』
そう。僕は小さい時に両親が離婚し祖母と祖父に育てられた。
僕はそのありがたさにまったく気が付いていなかった。
翌日。僕は園長に辞めることを告げ就活にはげんだ。
続く。