渋川が、この北岡少年に、ユウの面倒を頼んでくれたのかどうかは、その時の俺には分からなかったが、
後日、改めて学校を訪れた時、渋川と北岡少年には挨拶をしに行かなければならないなと思った。
『オヤジ。今日の晩飯なんだろ?』
『確か、母さんがハンバーグだって言ってたぞ。』
ユウのイジメ問題が、ひとまず解決の道へ向かっている事が、俺は何よりも嬉しかった。
これを機会に、俺は物事を前向きに考えられる様になった。
自分自身の就職の問題も抱えているが、
これから行く先の試練を、一つずつ乗り越えて行く事が、
何だか楽しみにさえ思えてくる様であった。