拓「秋!!」
秋奈を追おうとすぐに伸昭と拓朗が立ち上がりかかったが、拓朗は聖二を見て座り直した
光「ここで喧嘩してどうすんの?それこそ意味ないやんか!」
拓「…せえちゃん、秋は…」
聖「伸昭」
拓朗の言葉を遮って、中途半端に動きを止めたままの伸昭に声をかけた
伸「…」
聖「行ってやって」
拓「…!」
その言葉に拓朗は全てを悟った気がした。伸昭は黙って秋奈の後を追った―――
―――伸「そのすぐに逃げる癖、直した方がいいんじゃない?」
秋奈はすぐ傍のマンションの前にいた。伸昭は声をかけると花壇に腰掛けた彼女の隣に同じく座った
秋「聖二はひどい」
伸「でも彼の言うこともわかるよ。俺らに出来ることなんて…」
秋「冷たいね」
伸「そうやな、俺も冷たい奴やな」
秋「…」
伸「…」
黙って伸昭が立ち上がる
伸「…どうする?一緒に居て欲しいならまだここにいるけど」
秋「別に」
伸「またそれか」
秋奈に背を向け歩き出す伸昭。秋奈ははっとして顔をあげた
――ちゃんと素直になれ!――
秋「……ノブ君!」
伸「…」
秋「…やっぱり……行かないで」
泣き出しそうな秋奈に伸昭は振り返って微笑んだ