ディフェンド

 2011-01-30投稿
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02.


「あんまり動くなよ。まったく……」


 女は大きなため息をついてケイゴを抱き上げると、そのままベッドに座らせた。


「腹へったろ?」


 すると女の後ろから先ほどの金髪の少女が出てきて、持っていたお盆を突き出す。


 お盆には2つのパンとスープが乗っていて、それを見たケイゴの喉が鳴る。


「食えよ」


 女に促され、ケイゴはパンを手にとって一口かじった。


 幾日も何も食べていなかったケイゴにとって、今まで何気なく食べていたパンがとても美味く感じられた。


 あっという間にパンを食べ終え、スープを一気に飲み干す。


 5分もかからないうちに完食し、よほどお腹が空いていたのかと女と少女は驚いていた。


 ケイゴがスープの皿をお盆に戻すと、少女はそれを持って部屋から出て行った。


「お前、名前は?」

「……ケイゴ」


 ケイゴがそう答えると、女はドアに歩み寄って振り返った。


「俺はリュウカだ。じゃ今日はゆっくり休め」


 女、リュウカが部屋を出ると、ケイゴはベッドに横になって目を閉じた。


 +++


 ケイゴが目を覚ますと、視界の端に金髪の少女の姿があった。


 少女は無言で、手に持っていたお盆をケイゴに向けて突き出す。


「これ、ご飯」

「……ありがとう」


 起きあがってお盆を受け取ると、少女は早口で話しだした。


「洗面所は部屋を出て右よ。あとこれ、着替え。着替えたら部屋を出て突き当たりの部屋に来て」

「う、うん。……ねえ、それよりここはどこなの?」

「さあ。私も聞きたいの。昨日ここに来たばかりだから、何も知らない」

「そう、なんだ……」

「とにかく早く準備して」


 少女はそう言うと部屋を出て行こうとした。


「あ、名前なんていうの?」

「レイよ。あなたは?」

「俺はケイゴ」

「そう。じゃあね」


 少女、レイはそう言うとドアを開け部屋を出て行った。


 ケイゴは朝食を済ますと、受け取った袋から服を取り出して着替え、部屋をでて洗面所に向かった。


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