僕と同じ髪の色

快雅  2006-09-08投稿
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『〜♪』
 麗久のケイタイにメールが届いた。名前を見ると「華水純弥」と書いてあった。
「らしくない事するなぁ・・・・」
 純弥が携帯電話を持っていたのは知っていたが、メールが来たのはこれが始めてで、その初めてのメールが来たのは五時間目が始まったばかりという最悪のタイミングだった。
 そして、五時間目の教科を受け持つ先生は純弥に屈していない唯一の先生であろう、『白河』だった。
「どうした、麗久?あのワガママ坊主からか??」
 麗久自身もこの先生が気に入らなかったためどちらかといえば純弥を優先して、堂々とメールを見た。
『かえってきて』
(短っ!!!)
 短さに驚きはしたが、無視はしなかった。いつもなら無視するところなのだが、今日だけはそういう訳にはいかない理由があった。
「家の『ワガママ坊主』が呼んでいるので帰ります。」
 麗久はそれだけ言うと荷物を持って教室を出た。
(やっぱダメか・・・・)

_早朝_
「リク、風邪ひいた。」
「へ・・・?」

 今日は平日、出来ることなら学校へ行きたかったので、病院に預けておいたのだが、ダメだったらしい。
 昨日の純弥を考えれば、今日風邪をひくことくらい予想できたはずだ。(なぜなら昨日から頭が痛いと言っていたから)
「黄昏、ですけど・・・今朝預けた華水君は?」
 受付の看護婦さんに訊くと一瞬睨まれた。その頬にはバンドエイドが貼ってあり、嫌な予感がした。
「・・・二階、018室・・・です。」
 この無愛想な言い方を見て自分の嫌な予感は当たっていると確信した。
 純弥のいる部屋の前に行くと微かだが血痕が残っていた。
(ヤッバ・・・)
 純弥は普通の人がどうここう出来る相手じゃない。
 部屋にはいると物凄い殺気が溢れでた。
「やってくれたねぇ・・・・純弥」
「やぁ、リクだったの?」
 ケロッと態度を変えた純弥。声とは裏腹に、大暴れでもしたのだろうか?表情はいくらか辛そうに見えた。
 ここにいてはまた迷惑がかかりそうなのでひとまず家に帰ることにした。



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