僕と同じ髪の色

快雅  2006-09-08投稿
閲覧数[497] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「はー、一体なにやらかしたの?」
「院長と、喧嘩。」
(あんたは何のために、病院にいたの・・・)
 麗久は大きくため息をつく。
 39・8度の大熱。それなのに喧嘩とは信じがたい。
「・・・寝ていい?」
「寝ろっ、さっさと寝てくれ・・・まったく・・・」
 最近、純弥は自分にだけはきつく怒ったりしないことに気づき、たまに命令口調になる。
「・・・つまんない・・・」
(病人が、つまんないとか言わないでよ・・・)
 しかし、そのまま放っておくのも可愛そうなので、というより、そこまで熱が出た人を放ってはおけないので、半分仕方なしに看病する。これから悪化する可能性もあるわけだし、念入りに看病することにした。
「寝てなよ?そのうち何か作って持ってくるから・・・・」
「う、ん・・・」
 純弥はおとなしくベットにはいった。
 麗久は台所に行き、食べやすいものを作る。
(取りあえず、お粥作ろう。煮ている間に氷枕も作ろう)
 そう考えて、エプロンを身につけた。

「ゲホッゲホッ・・・ゲホ・・・ゲホッ、ゲホッ」
(ヤバ・・・咳が止まんない・・・)
 風邪はよくひく方だし、頭も痛くなる。でも、咳が出ることはあまり無かった。
(苦しいし・・・間接痛いし、最悪だ・・・)
 さっきまではどうってことなかったのに、急に咳が出たり、関節が痛んだりと、風邪が本格化してきた。
「・・・ケホッ、リク・・・」
 早く来てくれないかな。


(後もう少しでお粥出来るな・・・)
 麗久は氷枕を作り終わったので一度純弥の部屋に行こうとしていた。
 部屋に近づくにつれて、何か物音が聞こえた。
(寝たんじゃないの?)
 部屋から聞こえる物音がだんだんはっきりしていくのにつれて、今までになかった不安がかき立てられた。
(酷い咳!)
 麗久は急いで純弥の部屋のドアを開けた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 快雅 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ