第二話 死者の声 前編
声のする場所に明は向かった。
向かう先はジャングル、バトルアーマーは、道の悪い所や狭い所でも高速移動が可能な『ポリスモード』に一対の飛行ユニットを腰に着けジャングルの中を飛ぶ。
「ちょっと!待って!」
知加江が飛行形態のスカイモードで追いかけるが狭い所の高速移動ではポリスモードには勝てず、なかなか追い付けない。
本来ポリスモードには飛行機能は無いが、明と久理主は追加装備の飛行ユニットでこれを可能にした。
しかし、この二柱の跡を追わねばならない慶太と正美夫婦の方がもっと大変だが・・・・
「ここか?」
明は空中で止まり、今度は地中戦闘用の『ドリルモード』になり、地面を掘り始めた。
「はあ、やっと追い付いた!」
知加江が漸く追い付き、その跡に慶太、正美夫婦が追い付いた時、掘っていた所から白骨が姿を現した。
明は白骨を見つけると対霊、魔法戦闘形態の『マジックモード』になり、知加江も明に続いた。
危険が無いように慶太等の周りにバリアを張った。
「明、この人ね」
「ああ、漸く見つけた」
すると、白骨から白い煙のような物が現れ、その煙は人の形をとった。
幽霊であった。
その姿は旧日本軍の兵士だった。
歳は二十代前半と思われる。
「見つけてくれて有難う御座います」
兵士の幽霊はまず、明に礼を言う。
この兵士の幽霊を見て、正美は驚いた。
「お、御祖父さん・・・・?」
第三話に続く。