秋「何?」
秋奈はきょとんとしていた
拓「…秋はさ、自分のことを誰も見てくれないってへこんでたのかもしれないけど、よく考えてみてよ。せえちゃんのこと」
秋「…聖二?」
拓「せえちゃんはずっと秋のこと、見捨てたりなんかしいひんかったやろ?いつも秋のこと…」
秋「……」
拓「秋、お前は全然寂しい奴じゃないよ。口悪くてもいつもお前のこと気にしてくれるせえちゃんみたいな存在もおるねんから…お前もほんまは充分気付いてるやろ?」
秋「…」
拓「それだけは忘れないで」
拓朗はそんな秋奈の額をポンと叩いて言った
秋奈が出て行き拓朗は部屋へ戻ろうと振り返り足を止めた
拓「あ…」
伸「…おはよー」
相変わらずしんどそうな顔の伸昭が立っていた
拓「あぁ…起きとったん…」
伸「さっきねー」
拓「そう…ごめん、ノブ、その…」
伸「謝る必要ないでしょ」
拓「え?」
伸「たっくんの言う通りだよ。秋ちゃんはちゃんと知るべきや。どれだけ人に思われてんのか」
拓「知ってたん?せえちゃんの気持ち」
伸「なんとなく」
拓「いいん?」
伸「秋ちゃんが彼を選ぶなら俺は素直に受けいれるよ。…奪おうなんてしない」