聖「大丈夫か?」
病室の前まで来て聖二が訊いた
秋「え?」
聖「今日お前変やで。ずっと黙ったまんまで」
秋「…」
聖「…秋奈、お前の思った通りに言えばええよ。絶対伝わるから」
秋「…聖二…うん」
聖二は笑って扉を開けた
秋「翼!」
翼「おお!秋奈やんか!」
翼は少しは回復したのか、今日は枕を背もたれにし、上体を起こして座っていた
秋「翼…」
翼「な、何やねん!…んな泣きそうな顔すんなや!ちょ…せ、聖二!」
聖「…ほら、秋奈」
慌てた翼が聖二に助けを求めると聖二は秋奈の背を押した
秋「これ…皆で作ったの」
翼「…うわ…千羽鶴?」
秋「千羽もないけど、うちと拓朗と聖二とちいちゃん…それからノブ君で…」
翼「…」
秋「なぁ、翼?こんな時にこんなこと言うのはどうかと思うけど…片腕くらいどうってことないよ!あんたにはもっとすごいものがいっぱいある。」
翼「…」
秋「だから…翼、今すぐじゃなくていい…いつかでいいから、元気だして」
翼「…秋…」
美「秋奈…」
翼「な、何言ってんの!俺はいつでも元気やって!な!秋」
秋「…ほんまに?」
翼「うん!ほんまや!!だから心配すんな!…でも、ありがとう…」