04.
その箱の中には、2本の注射器があった。
注射器の中には青い液体が入っていて、リュウカはそのうちの1本を取り出すと、ケイゴに近づき腕を掴んだ。
「まずはケイゴからな。かなり痛いぞ、これ」
二の腕に注射器の太い針が刺さる感触がして、ケイゴは顔を背け、歯を食いしばった。
針から体内へと青い液体が注入されていく。
あまりの痛さに、ケイゴは顔をしかめて苦渋の声をあげた。
そしてケイゴに注射をうち終わると、レイにも注射をうつ。
レイも同じく、苦情の表情をして痛みに耐えていた。
「これでよし。後は適合すれば問題なし、だな」
「戦う力って、何なんだ?」
ケイゴがそう尋ねると、リュウカは近くにあった椅子を持ってきてケイゴの前に置いた。
「その椅子を思いっきり殴ってみろ」
「え?」
「いいから。でないと、俺がお前を殴るぞ」
殴られるのはいやだ。
ここは言われたとおりにするしかないが、なぜ椅子を殴るのかケイゴには分からなかった。
拳を目の高さまで上げ、ケイゴなりに力一杯椅子に向かって拳を叩きつけた。
すると椅子は座る部分が粉々になり、その衝撃が脚の部分にも伝わったのか、脚まで粉砕された。
「なんだよ、これ?!」
「信じらんない……」
ケイゴとレイの顔が、驚きの表情に変わる。
次にリュウカはレイに向かい、右手を出すように指示した。
「手のひらに力を集中させるんだ。いいな?」
レイは頷くと、手のひら一点を見つめる。
次の瞬間、レイの手のひらから黄色い光が生まれ、その光はビリビリと音をたてて球体状に集まりだした。
「よし。適合してるな」
「これが、戦う力?」
「そうだ。ケイゴには強靭なパワー。レイには電流を操る力。この力を使ってディーカを捕まえてほしい」
そして6年後。
リイバーとディーカの壮絶な戦いが始まる。