ディフェンド

 2011-02-13投稿
閲覧数[514] 良い投票[0] 悪い投票[0]

04.


 その箱の中には、2本の注射器があった。


 注射器の中には青い液体が入っていて、リュウカはそのうちの1本を取り出すと、ケイゴに近づき腕を掴んだ。


「まずはケイゴからな。かなり痛いぞ、これ」


 二の腕に注射器の太い針が刺さる感触がして、ケイゴは顔を背け、歯を食いしばった。


 針から体内へと青い液体が注入されていく。


 あまりの痛さに、ケイゴは顔をしかめて苦渋の声をあげた。


 そしてケイゴに注射をうち終わると、レイにも注射をうつ。


 レイも同じく、苦情の表情をして痛みに耐えていた。


「これでよし。後は適合すれば問題なし、だな」

「戦う力って、何なんだ?」


 ケイゴがそう尋ねると、リュウカは近くにあった椅子を持ってきてケイゴの前に置いた。


「その椅子を思いっきり殴ってみろ」

「え?」

「いいから。でないと、俺がお前を殴るぞ」


 殴られるのはいやだ。


 ここは言われたとおりにするしかないが、なぜ椅子を殴るのかケイゴには分からなかった。


 拳を目の高さまで上げ、ケイゴなりに力一杯椅子に向かって拳を叩きつけた。


 すると椅子は座る部分が粉々になり、その衝撃が脚の部分にも伝わったのか、脚まで粉砕された。


「なんだよ、これ?!」

「信じらんない……」


 ケイゴとレイの顔が、驚きの表情に変わる。


 次にリュウカはレイに向かい、右手を出すように指示した。


「手のひらに力を集中させるんだ。いいな?」


 レイは頷くと、手のひら一点を見つめる。


 次の瞬間、レイの手のひらから黄色い光が生まれ、その光はビリビリと音をたてて球体状に集まりだした。


「よし。適合してるな」

「これが、戦う力?」

「そうだ。ケイゴには強靭なパワー。レイには電流を操る力。この力を使ってディーカを捕まえてほしい」


 そして6年後。


 リイバーとディーカの壮絶な戦いが始まる。




投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「梓」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ