『夢?ないなー』
俺はヒカリの質問にそう答えた。
『お前は何か夢あんの?』
『あたし?あたしは25歳までに結婚して、幸せな家庭を持つのが夢!!』
『はぁ、それって夢って言うのかよ』
『夢よ!少しは私を見習って、夢持って毎日過ごしなさいよ(笑)』
『うるせー(笑)』
俺とヒカリは毎日こんな話をして学校の帰りを締めくくる。
そんな平凡な毎日が大好きだ。
『明日は英語と数学ね。やっとテストから解放されるわぁ。』
ヒカリは欠伸をしながら言った。
きっと昨日も徹夜でテスト勉強したのだろう。
俺はというと、テスト勉強をするつもりが漫画の勉強に変わってしまった。
先生、俺は勉強より漫画が大好きです!!漫画から色々な考え方を得ました!!教科書から得られるものはあるんですか?
と、思いつつ毎日の退屈な授業を受けていた。
『やっと夏休みがやってくるなー、夏休み最高〜』くんだろうな…。
どこの大学に行きたいとかもないな。
将来は何して働きたいとかも考えてないからなぁ。
『後になって焦っても知らないわよ?(笑)じゃあ、また明日』
『俺は今が大事なの。じゃあな!』
ヒカリと別れて、俺は自分の家へと歩いて行った。
昼よりは暑くないが、夕方でも全力でセミが鳴いている。
太陽が沈むのは19時以降になるだろう。
歩きながら俺は独り言を呟いた。
『あー、毎日がこんな風に続けばいいのにな、未来なんて考えたくねぇや』
太陽が沈んだのは予想通り19時以降になった。
起きた時間は22時を過ぎていた。
『げっ!!寝すぎた!』
昨日の勉強?が響いたのだろう。
明日は確か数学と英語だったけ。
数学はともかく英語は苦手なんだよな。
日本語すら完璧じゃないのに…。
『さて、まずは苦手な英語からやりますか』
ペラペラ…
ペラペラペラ…