聖「それは俺に対する“甘え”だよ、秋奈。それは恋愛感情とかそんなんじゃない」
秋「…」
聖「お前もよくわかってるやろ?俺に対する“申しわけなさ”とほんまの今の感情とをごちゃまぜにすんな」
秋「…」
聖「お前が好きなのは…俺じゃない…今のお前に必要なのも俺じゃない。…確かに俺はいつもお前を助けてきたし、これからもお前が必要とするならいつでも力になるつもりや。…でも…それは…俺がお前の“親友”やからで……恋とかそんなんじゃない」
秋「…」
聖「わかるな?…だから、お前が幸せになってくれれば、それで俺も楽になれるんや。俺の仕事も減るしな」
そう言って聖二は笑った
聖「今さら俺に何か返そうなんてしなくていいから…俺だってお前に何回も救われてるねんから……だからとにかくお前は早く幸せになれ!な?」
秋「…うん」
聖「あ…俺、今日もタケに勉強教えなあかんねん。だからワン家に帰るわ。お前は1人で伸昭の家に帰れるやんな」
秋「…うん」
聖「…じゃあ…また明日」
秋「…うん」
そうして2人は背を向けて歩き出した。お互いに唇を噛み苦しい表情をしたことも知らないで