――伸昭家
ピンポーン―――
伸「…んー…」
鳴り響くチャイムの音。
今朝と変わらず伸昭はだるそうに寝返りをうった
ピンポーン
伸「…」
ピンポーン
伸「…こんな時に限って誰もおらんのかよ」
伸昭はしぶしぶ立ち上がると玄関の扉をあけた
伸「どちらさ…」
ギュッ
扉開けた瞬間、何かに抱きつかれ伸昭は固まった
伸「…秋ちゃん…?」
秋「…うぅ…ぐすっ…」
伸「…?」
秋奈は伸昭の胸に顔を押し付けたまま泣いていた
伸「あき…ちゃん…」
しばらく固まっていた伸昭だったが、やがて両手を秋奈の背中に回すと何も言わず抱きしめた。秋奈はそのまま声をあげて泣き続けた
* * *
――ワン家
猛「あ、せえちゃん!どうやった?翼は…ちょっ…せえちゃん!」
聖二は出迎えた猛の言葉にも答えず、ワン家の中を進んで行った
猛「なあ、どうしたん?せぇちゃん、何か…」
聖「何でもない。心配すんな」
聖二はそう言うと階段をあがり、ある部屋の扉をノックもせずに開けた
隆「…ちょっと〜作業中やねんけど」
突然の訪問者に作曲のため机に向かっていた隆一は振り返りながら言った
聖「隆…ちゃん…」
隆「聖二?」