――伸昭家
伸「風邪はうつせば治るってほんまやってんな」
秋「…ケホケホ」
ベッドの上で赤い顔をして咳き込む秋奈を見下ろし呟いた
伸「ほら、今ちひろが買い出し行ってるからとりあえず寝ときな。あ!なんなら子守唄でも歌ったたろうか?」
秋「いらないもん」
布団を深々と被りぷいと背を向ける秋奈。伸昭はベッドの傍らに腰を下ろした
伸「…ごめんな。昨日俺、迎えに行けば良かったな。…あんなことがあったばっかやったし、真っ暗な中一人で帰るのは怖かったやろ?」
秋「…でも…ノブ君熱あったでしょ」
秋奈のしんどそうな顔がこちらを向いた
伸「今は君が寝込んでるけどな…ごめんな、せぇちゃんが居ったらもっと楽に…」
秋「何でそう思うの?!」
突然体を起こす秋奈
伸「…いや、だってせぇちゃんの方がこういうのわかってそうだし…俺なんかより…」
秋「うちは今ノブ君が居るから安心できるの!昨日だって…ノブ君の顔見たら、なんか…」
秋奈の目がまっすぐ伸昭に向く。伸昭も答えるように秋奈を見つめた
伸「秋ちゃん…」
伸昭の手が秋奈の頬に触れようとして止まった
伸「…ごめん、これ片付けてくる」
伸昭は目を反らし食器を手に立ち上がった