初デート…か。
前もこうやって2人でコスモワールドに行ったけど、全然盛り上がらなかったけど、正式なデートとしてはこれが初めてだ…。
アキもカズヒロも、気持ちが高まっていった。
その頃、店の片付けをしていた店長が、ふと一枚のパンフレットを手にした。
「ろう学校入学に関しての準備…?」
え?忘れ物?
「もしかして…あの女の子の…。」
この忘れ物が、物語を狂わせる1つの要因になろうとしていた。
翌日。
アキは、さがしものをしていた。
『えっ…どこやったんだろ…。』
アツコも、心配そうに聞いた。
「…どうしたの?」
『入学に関する準備のパンフレット…忘れてきたかも。』
「えっ…。」
アキは、
『たぶん…ヒロが働いている喫茶店に…ヒロにバレる前に行かなくちゃ!』
アキは急いで家を出ていった。
やばい…どうしよう…。
その焦りは、的中していた。
喫茶店にはすでに、ヒロがいた。
「アキちゃん…これどういうこと…?」
ヒロが悲しそうに問いただす。
そこには…なんとカズヒロも。
「…どういうことだか説明してくれないか。」
カズヒロも、若干怒っているような顔をしていた。
『…。』
あまりの張り詰めた空気に黙ってしまうアキ。するとヒロが、
「入学に関する準備…だからもう、入学することは前提で話は進んでるんでしょ?」
『…。』
黙っている間に、サユとユウタもやってきてしまった。