ハナウタ

 2006-09-09投稿
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僕の瞳に映るものがあなたにも見えていますか

君が作ってくれた歌のたった一文の歌詞
「お前のために曲作ったから。」

そう言ってギター片手に歌ってくれたけど この続きを聴いたことはない

「続きは?」

「曲は出来てるけど歌詞はここまで。完成したらライブで歌うから。見に来て。」

「曲だけ聴かせてよ。」

弾いてくれたメロディは少しせつなかった


それから
あの歌を聴くことはなかった

別れを選んだのは私で
あの頃は『愛』なんて知らなかったから 勝手に君の『愛』から逃げたんだ
君の『愛』が重すぎて 何だか疲れてしまった
それが真実の『愛』だったなんて
少しも気付かなかったから


あれから
あの曲には
歌詞はつきましたか?

一度も最後まで聴くことが出来なかったけど
私の後悔と一緒に
あのメロディは心に残ってるよ

ねぇ
聴かせて

今度はちゃんと君を見るから

聴かせて

君の瞳に映るものを一緒に見ていたいから

あのメロディに
勝手に歌詞を付けて歌うのは
君に失礼だから
歌詞は白紙のままにしておくよ

今でも寂しくなると鼻歌を歌うんだ

君の作ってくれた私だけの曲を歌うんだ
そしたらね
何だか嬉しくなって何だかせつなくなって
君の歌を無償に聴きたくなるんだ


叶わない願いだからまた上を向いて歌い出す

そして空には
鼻歌が寂しく残るだけ



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