「…今は?」
伸昭が聞き返す
「ちょっとでも可愛く見えたらいいのになとか…そういう…下心っていうのかな…いつも計算してる」
「そうなの?」
「うん。でも、いっつも計算通りにできひんの」
「じゃあ今わかったんじゃない?」
「何が?」
「計算しなくてもそのままでいいんやってこと」
「…本気で…可愛いって…言ってくれた?」
「いや、俺はいるかが可愛いって言ったんだけど」
悪戯っぽく笑う伸昭に顔をしかめる秋奈
「嘘嘘。ほら、それかして」
「いいよ、自分で買うもん」
「いいから。これは俺から秋ちゃんへのプレゼントってことで。な?」
「知らんよ。他の女の子にあげるプレゼント代なくなっても知らんよ」
「ぬいぐるみくらいで…(-_-;それにいつもは俺、もらう派なの!今日だけ特別!!」
そう言って笑いながら伸昭はレジに向かった
* * *
「はい、どうぞ」
ふざけたようにかしこまって渡す伸昭
「…ありがとう。」
それを両手で受けとる秋奈。顔をあげない秋奈の頭をぽんと叩いて伸昭はまた歩き出した
「次はどこに行きますかー?」
「…あそこがいい」
顔あげた秋奈の目に真っ先にとまったのはCDショップだった