06.
｢今から今回のターゲットの説明をする｣
情報局の片隅にある個室にリュウカとケイゴとレイの姿があった。
丸型の机を囲むように３人は座り、リュウカは机に取り付けてあるボタンを押すと、机の真ん中のカメラから１枚の男の写真が飛び出して空間に浮かぶ。
｢誰だ? こいつ｣
｢こいつはトドロキ。ランクはＢだ｣
｢Ｂ……珍しく低いランクのミッションですね｣
ターゲットの危険度数は一番Ｃが低くく、次にＢ･Ａ･Ｓと続く。
最も危険なターゲットにはＳＳというランクがつくというようになっている。
｢トドロキはアジトに大量の麻薬を隠してるらしくてな。それを裏で売りさばいてるらしい。お前たちにはトドロキの捕獲と、麻薬の押収をやってもらいたい｣
｢何だよ、ちょろいな。Ｂ級だしさ｣
｢Ｂ級だからって舐めてかかるなよ。相手もお前らみたいに能力持ちなんだからな｣
凶悪犯罪組織ディーカの者たちはケイゴらと同じような力を持ち、その力を利用して裏世界を牛耳っている。
リュウカはボタンを押してカメラを切ると、立ち上がってケイゴに紙切れを差し出した。
｢トドロキのアジトの場所だ｣
そう言って、部屋を出て行こうとしたリュウカはドアの前で立ち止まって振り向く。
｢ミッション開始は、深夜１時。それまでに準備しとけ。いいな?｣
｢はい｣
ケイゴとレイが同時に返事を返すと、リュウカは部屋から出て行った。
｢Ｂ級って、何か気に食わないな……｣
｢リュウカさんに言われたでしょ? 舐めてかかるなって｣
｢まあそーだけどさ｣
ケイゴたちが行ってきたミッションは、殆どがＡ級やＳ級といった危険なものだった。
それが今回Ｂ級と低くランクになり萎えている様子のケイゴを横目に、レイはため息をついた。
｢もう……さっさと準備するわよ?｣
｢ああ｣
ケイゴとレイはミッションの準備をするため、情報局から出てそれぞれの部屋に戻った。
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