幸せの一月を一生忘れない 8

那巧  2006-09-09投稿
閲覧数[299] 良い投票[0] 悪い投票[0]

今日は学校が変だ。何かざわついてる。
 「ねぇ、琴那・・・今日変だよ」
 「失礼な、私は何時もと変わりませんー」
違うって、そう言おうとしたとき先生が入ってきた。
 「今日は、津軽君が休みです。」
そう言われたとき、教室にいる生徒、詳しく言えば教室にいる女子がいっせいにため息をつく音がした。
 (ケガしたのかなぁ?病気になっちゃったのかなぁ?)
私はため息はつかなかったけど、どうして休んだのかというのが気になった。今朝は、むかえに来てくれなかったから薄々休みだというような気はしていたのだがいざ、先生の口から聞くと、感じ方というか、実感のあり方が違う、そう思った。
 「・・・澪・・・」
その時は信じられない位心配になって、胸が熱くなった。
 「それと、時雨さん。時雨さんはこれが終わったら、一緒に職員室まで来て下さいね?」
 「え?あ、はい・・・」
かなり力無い返事だった気がする。
私は職員室に向かう間も澪のことで、頭がいっぱいだった。
 「時雨さん、どこが一番話しやすいですか?」
 「はい?」
 「正直に、先生の質問に答えるにはどこだったらいいかな?」
先生は分かりやすいように言い直して、私に訊いた。
 「と、図書室でしょうか・・・・?」
 「そうしようかな、じゃあ・・・」
私は先生と図書室に向かった。私はなにか怒られることでもしたのかと思った。
 「時雨さんは、津軽君と何か関係がありますか?」
 「はへ?」
想像していなかった質問に間抜けな声が出た。
 「最近、あなたと津軽君が二人でいるのを目撃するという報告が他の先生方から良くあるんですよ。」
 「別に・・・・偶々ですけど・・・」
がんばって嘘をつく。
 「そうですか、ならいいです。教室に戻ってかまいませんよ。」
 「はい・・・」
私は首をかしげた。
何故かその時の先生の顔と、ものの言い方が何時までも頭をはなれなかった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 那巧 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ