黄昏れた現実に頬杖をついて
愛とは何か
そこはかとなく考えてみる
光やわらぐ野辺にただ一輪咲く
可憐な花は愛だろうか
星降る夜に
苦しげに恋人を抱きしめるその腕は愛だろうか
孫が祖母に贈る
下手くそな似顔絵を描いた色とりどりのクレヨンは愛だろうか
それは何処に眠るのだろう
何処から来たりて
何処へ行こうとしているのだろう
伴侶の墓に永遠を誓うその小指は
違わぬ性にさ迷う心は
きりきりと鳴く虫たちの穏やかな演奏は
蒼き明け方に孤独を噛み締めて泣く私は
愛とは