―――翌朝
秋「くしゅんっ」
光「ほらー秋奈、上着ちゃんと着て。寒くない?」
秋「ん〜…」
まだ起きて間もない秋奈は猛に背負われていた
猛「まだ眠そうやな。しんどくない?」
波「今日だけやで!今日だけ特別やねんからね!!」
特等席を奪われた波音はぶつぶつ愚痴をこぼした
秋「…どこ行くんー?」
眠そうな秋奈の声
光「ワン家だよー」
やけに優しい4人。最近はずっと自分のこと、ほったらかしだったくせに、と思いつつも嬉しかった。でも…
秋「…ノブ君はー?」
猛「あー…用があるから今日は行かないって」
秋「…ふぅん…」
その言葉に気分は沈んだ
慶「また後で来るよ」
そんな秋奈に慶太郎が優しく微笑んで言った
* * *
一方伸昭はベッドの上で壁にもたれぼんやり座っていた
ち「ノブ〜いいの〜?」
伸「…んー?何がー?」
ち「ワン家、ノブも行かないの〜?」
伸「…ああ」
ち「でも…秋ちゃん、行っちゃったよ」
伸「いいよ。俺が居ったらせえちゃんと秋ちゃんが話せないから…」
ち「……」
伸「…やっぱりこのままじゃダメだよ、せえちゃん」
秋奈が残していった寂し気なあのいるかを伸昭はそっと抱きあげた