天野さんは告白して、上手くいったんだ。
だから、あんな風に……。
それでも気持ちを伝えるべき?
「無理だよ……」
屋上に来た私は、フェンスに背を預けて座り込んだ。
そして私はネックレスに触れようと首もとに手を伸ばしたけど、ネックレスはなかった。
そうだ。あの時……。
ケイタにネックレスを投げつけたのを思い出した。
思い出した時、ネックレスをむしりとったときにできた傷が痛んだ。
もう気持ちを伝えなくていいから、謝りたい。
でも、ケイタに会いづらいよ。
私は膝を抱えて、そこに顔をうずめた。
その時、屋上の戸が開く音がした。
「ユキ」
顔を上げると、戸の前にはケイタの姿があった。
ケイタがゆっくり近づいてきて、私は慌てて立ち上がる。
「何で、ここに?」
「ナナミちゃんに会ってさ。探してきてって言われたんだ」
「そう……」
「ナナミちゃんさ、ユキに会った? って聞かれたけど、何か用あった?」
「用ってゆーか……」
ケイタ、怒ってないのかな。
私、あんな酷いこと言ったのに。
「昨日のことなんだけど……」
「