アイの実は、どんな味?

萩原実衣 2011-03-23投稿
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「ニャ〜ニャ〜ン」
「わかったよ!起きる」
そう言いながら、石川クンを抱きしめまた、寝た。
石川クン…俺の同居猫。
石川クンは、焦げ茶の三毛猫で、何処からともなく現れ俺んちに棲みだした。
対等に付き合ってやろうと思って、『石川クン』と呼んでいる。

石川クンは、母親以上に正解に目覚ましのように起こす。

最近、女が出来ないのは、『石川クン』が、原因だろうと責任転嫁をしている。

俺は、村上 秦(しん)
うだうだ生きて、
気づいたら26歳。

司法書士目指していたが、大学でてからは、フリーター。
何だか、夢や希望なんてものに振り回されるのに疲れた。

(あっ‥とりあえずバイトだ)

石川クンに朝食を用意して、チャリ。
(ったく!)
女子高生ってやつは、自分達が一番エライんだろうな。
横一列で朝からペチャクチャ腹立たしいが、関わるのもうざったい。

(所詮、『あのオヤジうざ〜い』とか言われるんだろから)

誰がなんて言おうが、退きそうもない。

俺は、タバコに火を付けチャリをひいて歩く事にした。


のんびり歩くのも悪くない…。
って浸っていた俺の横を風を切りながらチャリをぶっ飛ばして女が通り過ぎた。

次の瞬間「チャリン、チャリン〜。」
けたたましくベルを鳴らせながら女子高生に突っ込んで行った。

『バカが…。』

退かない 悪魔の集団に怯みもせず、食らいつく女。
「道をあけて!」
女子高生の何人かが振り向くものの、まだ退かず。


何やら面白くなってきたので、しばらく観察する事にした。

女が、幾度と声をかけようがベルを鳴らそうが、事態は変わらず…。

次の瞬間
俺は、テレビを見ているのかと錯覚した。


女は、チャリを放り捨て、
「てめえら、さっきから聞こえてねぇのか!」

一人の女子高生の胸ぐらを掴んだ。
「てめえらみたいなガキがでかい顔して歩いてんじゃねぇ。みんな 困ってんだよ!」

女は、身長が、170を超えてるだろう、スレンダーだが、物凄い迫力にさすがの女子高生も真っ青になって走りさった。
『パチパチパチパチ!』拍手が一斉に鳴り響いた。
振り向くとそこには年寄り、幼稚園児、サラリーマン達10数名いた。

女は、チャリを起こし停めるとこっちに向かって歩いてきた。


『バシッ!』
俺は、ビンタ された…。

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