ドボォン！
ブレードと呼ばれる男が川へと落ちた。
｢へぇ、とっさに川へと飛んだのか。彼もなかなかやるようだ。｣
その言葉と同時に残った男の方に振り向く。
｢それで、君もやるのか？｣｢はい、と言いたいところですが、相手があの『緋の眼』ですからね。そちらの言う通り、退かせていただきましょう。｣
｢ふふっ、良い判断だ。｣
…
角を曲がってすぐに爆発音が響いた。
｢気ぃとられてる場合じゃねえぞ。｣
前方でノックさんがそう言いながら、扉を確認している。
見たところ、一般的な家の扉だ。
｢よし、この扉なら｣
そう言うと、ノックさんは扉をノックした。
そして扉を開け、僕に中へ入るように促した。
｢勝手に入っていいんですか？｣
｢バカ、細かいこと気にしてる場合か？｣
そして中へ押し入れられた。
扉をくぐる。
｢そんな無理やりおしこまないでくだ…え？｣
くぐった先の場所に僕は驚きすぎて、いや、わけがわからなくて言葉が途中で止まってしまった。
エントランスのような広い空間と自販機。
そこは間違いなくワンダだった。
こんなことありえない。
あそこからワンダまでまだまだ時間がかかるはずだ。あんな場所にあった扉がワンダにつながってるなんて、ありえない。
｢ふう、ひとまずこれで安心だろうな。ここは安心度トップクラスだ。｣
あとから入ってきたノックさんがそう言った。
｢すいません。状況がさっぱり読めません。なんで俺、狙われてる？んですか？なにがなんだか…｣
｢そのことに関しては私が説明しよう。ひとまず、ノックくん、ご苦労だったね。｣
｢伊島さん。助かりましたけど、一瞬ヒヤッとしましたよ。｣
｢すまない。私もまさかこれほど早く来るとはね。｣伊島さんが苦笑しながら言った。
そして僕の方に向き、話し出す。
｢さすがに話すと少しばかり長くなる。とりあえず、座ろうか。｣
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