プロローグ
わたしがまだ5歳のとき。
ある男の子と四つ葉のクローバーの約束をした。
わたしは当時仲の良かった男の子が引っ越すと聞いて、ずっと泣いていた。
すると、その男の子がわたしの隣へやって来て、
『ぜったい、また会いにくるから』
そういって、泣いていたわたしに四つ葉のクローバーをくれた――そんな約束。
15歳になった今でも、その約束のことは、よく覚えている。
でも、相手の男の子の名前だけは覚えていない。
……あの約束から10年がたち、わたしは高校一年生になった。
そして。
わたしは、ついに見つけた。
あの男の子を――。