3月も半ばに差し掛かった頃か。3年生の卒業式も終わり、由香の命も消える日が近づいていた。
有馬は、部活後できるだけ病院へ行った。
しかし、由香は日に日に弱くなっている。
ある日、由香が有馬に、
「あの時…私としてくれて…ありがとう…。」
「うん…。」
「私は…やっと、女になれたかな?って感じた。女らしく、有馬とできた。」
「今までの人とは…どうだったんだよ。」
由香は、ただ首を横に振った。
「…そうか。俺だけに…。」
「うん…。私…ずっとあなたが好きだった…、でも、このことが原因で言えない私がずっと居た。有馬に嫌われるのがヤダって思ってしまう私がずっといて…。でも、この気持ちを伝えないと後悔すると思ったの。」
有馬は…。
「こんな俺で良ければ、いつでも側にいる。」
これしか、出来る事はないけど、精一杯愛していることしかできないけど、有馬の真っすぐな性格が出した答えは、これだけだった。