奈央と出会えたから。<423>

麻呂 2011-03-27投稿
閲覧数[530] 良い投票[1] 悪い投票[0]


* * * * * *

秋が過ぎ、ちらちらと初雪がちらつき始めた――


街行く人の吐く息も白く、


冷え込んだ小樽の北風は、


マフラーを巻いた、あたしの頬をぴりぴりと刺激した。



カチッ―ー‐


隣を歩く聖人が、煙草に火をつけ、


ふぅっと煙を吐く――



『‥‥ゲホッ‥ゲホッ‥ゲホッ。』



聖人は数日前から風邪をひいたらしい。



『聖人。吸い過ぎだよ?』



『‥‥ん。大丈夫。』



今日は日曜日――


久々のデートなんだケド、


聖人の風邪がちょっと心配。


聖人は、もともと喘息持ちだから。





『もう少しだな。』



『えっ?!』



『クリスマス。』



ドキッ――



聖人に言われて、一瞬ドキッとした。


そっかぁ。


もうそんな時期なんだ。


久々のデートで緊張していたあたしは、


なんか、


一人でドキドキしてた。





『早いよね。

去年は、あたしの家で、ミズホさんとサトル君も呼んで、4人でパーティーしたもんね。』



『あぁ。そういや、アイツらと夏のカラオケ以来会ってねぇな。』



『えっ?!ホントに?!

サトル君とは、一緒にバイク乗ったりしてたんじゃないの?!』



『いや。サトルのヤツ、ミズホと付き合い始めてから、忙しいらしくてよ。』



『忙しい‥‥の?

あ‥そっか‥‥デートとかで???』



『知らねーよ。

アイツらはアイツらでよろしくやってんじゃねーの?』



『聖人?‥‥何で怒ってるの?』



『別に怒ってねーよ。知るかよッッ。』



『クスッッ。』



『何笑ってる?!』



『ムキになってる。』



『アホか/////』



そっかぁ。


ミズホさんとサトル君。


うまくいってるんだね。


お似合いのカップルだし。


大好きなバイクに乗って、聖人と2人で、いつもツルんで走っていたのに。


サトル君は、大好きなバイクよりも、


ミズホさんのコトを 大切に思っているんだね。


なんか、


ミズホさんがうらやましいな。


聖人は、


バイクとあたしと、


どっちが大事なんだろう――



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「麻呂」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
男子が夢中になる
ウルウル唇で誘惑…♪


▲ページトップ