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 2011-03-28投稿
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09.


「死んでもらう」


 トドロキは低い声で言うと、懐からナイフを取り出した。


 刹那、トドロキの姿がその場から消え、ケイゴの正面に現れる。


 ケイゴに避ける間を与えない程の速さで、トドロキは握っていたナイフでケイゴの右腕を切り裂く。


(早いっ!)


 ケイゴの右腕からは鮮血が吹き出て、ケイゴは右腕を抑えてトドロキに向かって蹴りを繰り出した。


 しかしトドロキはそれを避け、またしても2人の前から姿を消した。


 だが木箱の山から足音がして、その方を向くとその山の頂上にトドロキの姿があった。


「次は女の方を斬ってやるよ」


 トドロキは不気味な笑みを浮かべて、ケイゴの血がついたナイフを舐める。


「ケイゴ、大丈夫?」

「……あ、ああ。へーきへーき」


 レイは目線をケイゴからトドロキに移すと、右手を突き出してサンダーオーブを連続して放つ。


 しかしトドロキはそんな攻撃をもろともせず、避けながらレイの方へ向かってくる。


 そしてトドロキがレイの正面に来たとき、レイは紙一重でナイフを避けて避け際に電気の槍を放った。


 トドロキの不意をつき、電気の槍はトドロキの左腕をかすった。


「くそっ……よくも……」


 着ていた毛皮のコートに傷をつけられたのが気にさわったのか、トドロキの目つきがさらに鋭くなり、それと同時にトドロキから放たれる威圧感が重いものとなる。


 コートを脱ぎ捨てたトドロキは目にもとまらぬ速さで移動し、ナイフを構えてレイに襲いかかった。


(やばっ、避けきれない!)


「レイ!」


 ナイフはレイに届くことはなかった。


 レイを庇ったケイゴがその刃を素手で握って止めていたのだ。


「ケイゴ?!」


 レイの声を背に、ケイゴはナイフを握ったままトドロキの手を掴み、反対側の手で拳を作り力を込めた。


「いてえっつーの!」


 そう言い放つと、ケイゴはトドロキのみぞおちに拳を食らわせた。


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